ある日、配布をしていたら・・・
この間、駅前で顕正新聞を配布していたら、知らない壮年が私たちに声をかけてきました。その壮年は、ちょっとくたびれた感じの中年で、仕事帰りといった様子でした。
壮年は開口一番、「お前ら、安倍さんの悪口ばっかり書いてる新聞を配っているんんだろ!知ってるぞ!安倍さんはな、日本のために尽くしたんだ!」と。
そして、アベノミクスで景気が良くなったなどと語り、安倍晋三を讃嘆しては、顕正会への不満をぶつけてきました。私たちが顕正新聞を広げて安倍政権の悪政を伝えようとしても、ぜんぶシャットアウトして耳を貸しません。
とうとう壮年は、一人で怒りをぶちまけた後、ふらふらと帰って行きました。その後ろ姿には哀愁が漂っていて、なんとか救ってあげたいと思いました。
安倍晋三元首相の悪政を糾弾し続けた顕正新聞
たしかに顕正新聞には、安倍晋三元首相の悪政を厳しく糾弾する内容がよく掲載されています。
たとえば、令和4年9月5日の顕正新聞「安倍政権八年の悪政」特集号で浅井先生は、「いま改めて、安倍政権8年の悪政について以下の6つを挙げ、日本の将来のために論じたい」として、異次元金融緩和、森友学園疑惑、加計学園疑惑、「桜を見る会」疑惑、北方領土問題などを挙げて痛烈に指弾されています。
それだけではありません。浅井先生は、平成25年2月から令和3年11月にいたるまで、なんと62回にわたって顕正会の集会で安倍晋三元首相の悪政を責め、顕正新聞を安倍晋三元首相に送付し続けてこられました。
さらに追い打ちをかけるように、顕正新聞の名物コラム「世相閻魔帳」が、あの天下一品の辛口で、安倍晋三元首相の悪政を徹底的に指弾し続けています。
こうしてみると、たしかに何も知らない安倍晋三シンパの人が顕正新聞を読めば、「安倍さんの悪口ばかり書いている新聞」と思い込んでしまうのかもしれません。
顕正会が安倍晋三元首相を糾弾する理由
では、どうして顕正会は、安倍晋三元首相のことを、ここまで糾弾しているのでしょうか。
それは、安倍晋三元首相が、憲法を改正し、国家神道を復活させ、日本を「神の国」にしようと画策していたからです。これが亡国をもたらす仏法上の失となるからこそ、顕正会は安倍晋三の悪政を連々と責め、その謗法を諫め続けてきたのです。
神国日本を画策していた安倍晋三
こう書くと、「そんなバカな!たしかに安倍さんは憲法改正を熱心に叫んでいたけど、まさか国家神道を復活させて日本を『神の国』にしようとしていたなんて、とても信じられない・・・」とショックを受ける安倍晋三シンパの人がいるかもしれません。
でも、これは厳然たる事実なのです。
以前の記事にも書きましたが、浅井先生は、安倍晋三元首相が「神国日本」を作らんとしていたことについて、①平成28年にG7会議が日本で行われたとき、わざわざ開催地を伊勢志摩に決め、G7の全首脳を伊勢神宮に招き入れて「御垣内参拝」という特別の参拝をさせ、日本の国家神道を暗に国際的に認めさせようとしたこと、②安倍が作った内閣ではほとんどの閣僚が「日本会議 国会議員懇談会」と「神道政治連盟 国会議員懇談会」に属し、安倍自らその会長また顧問に就任していたこと、③日本会議のフロント活動をしている櫻井よしこが主催する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の集会に毎回「憲法改正」を誓うビデオメッセージを送っていたこと等を挙げ、「これらを見れば、安倍のめざすところがよくわかる」と仰せられました。まさに目からウロコが落ちる思いですね。
このように、安倍晋三元首相は、日本最大の右翼団体「日本会議」および「神社本庁」と結託して、日本を「神の国」にしようとしていました。具体的には、明治憲法のように天皇を絶対化して「国家神道」を復活させ、戦前の日本を取り戻し、天照太神を祀る伊勢神宮を日本の本とすることを画策していました。
だから顕正会は安倍晋三元首相を諫め続けてきたのです。
「神国日本」はどうして問題なのか
いかがでしょうか。安倍晋三元首相の「神国日本」の野望を知れば、きっと多くの人たちは「それは良くない」と思うことでしょう。
しかし、安倍晋三ベッタリの人や神道大好きの人たちは、もしかしたらこんなことを言うかもしれません。
「日本を『神の国』にして何が悪いの?もともと日本は神道の国、神社を大切にしてきた国なんだから、安倍さんが日本を『神の国』にして本当の日本を『取り戻そう』と叫んだのは素晴らしいことよ!」と。
でも、これは大きな間違いです。なぜでしょうか。それは宗教の正邪、とりわけ仏と神の関係を知らないからです。
このことを知るには、まず、「国家と宗教」の関係を知らなくてはなりません。
浅井先生のご指導を拝してみましょう。
このところ、自民党と邪教・統一教会のズブズブの関係が広く知れわたり、俄に「政治と宗教」という問題がクローズアップされて来ましたね。
しかし政治家も一般国民も、宗教に「正邪」があることを知らない。また「国家と宗教の関係」はいかにあるべきかを全く知らない。(中略)
宗教の正邪こそ、国家の興亡盛衰に関わる根本であるから、よくよくこれを弁えなければいけない。
「国家と宗教」特集号
いかがでしょうか。実に「宗教の正邪」こそ「国家の興亡盛衰に関わる根本」なのです。
つまり、正しい仏法を立てれば国は栄え安泰となり、間違った宗教を用いたり正しい仏法に背けば国は亡ぶ、とうことです。これが「国家と宗教」の関係です。
では、どうして「神国日本」はダメで、仏法を立てなければいけないのでしょうか。
それは仏と神には厳然たる主従関係があるからです。つまり、「仏は主君、神は所従」なのです。ですから、所従である「神」を崇め、主君である「仏」を無視・軽賤すれば、仏法の道理に背き、亡国の因となるのです。
仏と神の関係は、飛鳥時代の聖徳太子のとき、すでに決まっています。
日本の歴史を見れば、欽明天皇の御代に仏法が渡来したとき、豪族の物部守屋が日本古来の天照太神等の神々を立てて仏法を排斥しました。このとき聖徳太子が敢然として仏法を立て、守屋と戦い、ついに勝って日本に仏法を確立したのです。このとき「仏は主君、神は所従」との位置が決まりました。
ゆえに日蓮大聖人は曽谷抄に「ついには神は負け、仏は勝たせ給いて、神国はじめて仏国となりぬ」と仰せられています。
まして、この国に御出現された日蓮大聖人は、インドの釈迦仏のような熟脱の仏ではありません。三世十方の諸仏の本地・根源の御本仏たる「久遠元初の自受用身」という最も尊い仏様なのです。
大聖人様は、かかる御本仏の御立場から、ご自身と天照太神等の神々との関係について、次のように仰せられています。
「天照太神・正八幡宮も頭をかたぶけ、手を合はせて地に伏し給うべき事なり」(下種本仏成道御書)
なんと凄い大境界でしょうか。まさしく「仏は主君、神は所従」なのです。これを取り違えて、もし神を主と崇め、御本仏日蓮大聖人を無視・軽賤すれば、それが謗法になり、人は亡び、国も必ず傾きます。
だから「神国日本」はダメで、御本仏日蓮大聖人の仏法を立てなければいけないのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。ここまでお読みになった方であれば、どうして顕正会が安倍晋三元首相を徹底的に糾弾しているのか、きっとおわかりになったことと思います。
まさしく顕正会は、安倍晋三元首相による「神国日本」の画策が亡国をもたらす因となるゆえに、その悪政を責め、徹底的に諫め続けているのです。
つまり、顕正会は、日本を亡国から救うために、安倍晋三元首相の悪政を責め続けてきたということです。
大聖人様は立正安国論に、「汝早く信仰の寸心を改めて、速やかに実乗の一善に帰せよ。 然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰えんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや。 国に衰微無く土に破壊無くんば、身は是れ安全にして心は是れ禅定ならん。此の詞此の言、信ずべく崇むべし」と。
御文において「信仰の寸心を改めて」とは破邪、「実乗の一善に帰せよ」とは立正、「然れば則ち三界は皆仏国」以下は安国です。すなわち破邪・立正こそ、国家を安泰にするための根本の解決法です。
そして「立正」とは三大秘法を立てること、その所詮は国立戒壇の建立であれば、これより他に亡国迫る日本を救う根本解決はあり得ません。
そこにいま浅井先生率いる顕正会が、日蓮大聖人の御遺命たる国立戒壇建立を高々と掲げ、人を救い国を救わんと戦っている所以があるのです。