「国家と宗教」特集号の続き
冨士大石寺顕正会の令和4年10月度総幹部会を特集した「国家と宗教」特集号。
前回の記事では、浅井先生が「三証」と「五綱判」という大事の御法門を以て、「富士大石寺に伝わる日蓮大聖人の三大秘法だけが、国家安泰・衆生成仏の正法であり、他の一切の諸宗はことごとく邪法である」と明示下されたところについて書きました。
今回は、そのことを踏まえて、浅井先生が「国家と宗教」のあるべき姿について指導下されたところについて書いていきたいと思います。
「国家と宗教」の関係、その在り方
「国家と宗教」の関係、そのあるべき姿とは、どのようなものでしょうか。
それは御本仏日蓮大聖人が「立正安国論」と「三大秘法抄」にはっきりと御教示下されています。
まず、立宗より7年目の国主諫暁の書「立正安国論」には、「正しい仏法を立てて国家を安泰にすること」をお教え下されています。宗教の正邪こそ国家の興亡盛衰に関わる根本だからです。
では、「正しい仏法を立てる」とは、具体的にどうすれば良いのでしょうか。そのことをご教示下されたのが、御入滅の年に著わされた「三大秘法抄」です。同抄には、本門戒壇建立の大事について、次のように仰せられています。
「戒壇とは、王法仏法に冥じ仏法王法に合して、王臣一同に本門の三大秘密の法を持ちて、有徳王・覚徳比丘の其の乃往を末法濁悪の未来に移さん時、
勅宣並びに御教書を申し下して、霊山浄土に似たらん最勝の地を尋ねて戒壇を建立す可き者か。時を待つべきのみ。事の戒法と申すは是れなり。
三国並びに一閻浮提の人 懺悔滅罪の戒法のみならず、大梵天王・帝釈等も来下して蹋み給うべき戒壇なり」
浅井先生は、「この御文には、国家と仏法の関係、またその在り方が明確に御教示下されており、極めて重要である」と仰せられています。一つずつ見ていきましょう。
まず戒壇建立の「時」について、「王法仏法に冥じ仏法王法に合して、王臣一同に本門の三大秘密の法を持ちて、有徳王・覚徳比丘の其の乃往を末法濁悪の未来に移さん時」と仰せられています。
「王法仏法に冥じ仏法王法に合して」とは、国家が宗教の正邪にめざめて、日蓮大聖人の三大秘法こそ唯一の国家安泰の大法、一切衆生成仏の正法であると認識決裁し、この三大秘法を尊崇守護することです。国家と仏法の関係が、ここにハッキリと顕われていますね。
では、そのとき国家はどのような姿になるかといえば、次文に「王臣一同に本門の三大秘密の法を持ちて、有徳王・覚徳比丘の其の乃往を末法濁悪の未来に移さん時」と。すなわち、日本国の国主である天皇も、大臣も、全国民も、一同して本門戒壇の大御本尊を信じて南無妙法蓮華経と唱え奉り、この大御本尊を守護し奉るにおいては、有徳王・覚徳比丘の故事に示されているごとくの身命も惜しまぬ大護法心が一国にみなぎった時――と定め給うておられます。
いかがでしょうか。今の自堕落、亡国直前の日本からは想像もつかない崇高な姿です。しかし大聖人様は末法濁悪の未来日本国に、このような国家状況が必ず現出することを、ここに断言しておられるのです。
浅井先生は、「広宣流布の時には、必ず大聖人様の仰せのままの日本国になるのです。私は、それは遠い先ではないと思っております」と仰せられています。
次に戒壇建立に際しての手続については、「勅宣並びに御教書を申し下して」と。
「勅宣」とは天皇の詔勅、「御教書」とは当時幕府の命令書、今日においては国家の議決・閣議決定等がこれに当ります。
すなわち「勅宣並びに御教書を申し下して」とは、国家意志の公式表明を建立の手続とせよ――との御定めです。
この手続こそ、日蓮大聖人が全人類に授与して下さった「本門戒壇の大御本尊」を、日本国が国家の命運を賭しても守護し奉るとの国家意志の表明であり、このことは日本国の王臣が「守護付嘱」に応え奉った姿でもあります。
このように、国家意志の表明により建立された本門戒壇に、御本仏日蓮大聖人の御法魂たる「本門戒壇の大御本尊」を安置し奉れば、日本国の魂は即 日蓮大聖人となります。御本仏を魂とする国はまさしく仏国です。
立正安国論に仰せの「三界は皆仏国なり、仏国其れ衰えんや」は、このとき事相となるのです。
本門戒壇の広大利益
この本門戒壇が建立されたとき、どのような大利益があるか。そのことをお示し下されたのが、三大秘法抄の次の御文です。
「三国並びに一閻浮提の人 懺悔滅罪の戒法のみならず、大梵天王・帝釈等も来下して蹋み給うべき戒壇なり」
この本門戒壇は、日本のためだけではなく、中国・インドおよび全世界の人々の懺悔滅罪の戒法であり、さらに人間界だけではなく、天上界の梵天・帝釈等も来下して参詣すべき戒壇であると仰せ下されています。
梵天・帝釈というのは、天上界の中でも最高位で、仏法を守護し、宇宙法界にも大きな作用を及ぼす諸天です。広宣流布の時にはこの梵天・帝釈等も来下して、本門戒壇に参詣すると仰せられているのです。なんと広大無辺の大利益でしょうか。
そして日本に本門戒壇が建立されれば、その大波動は直ちに全世界に及びます。かくて世界中の人々がこの本門戒壇を中心として、報恩抄に仰せのごとく「日本乃至漢土(中国)・月氏(インド)・一閻浮提(全世界)に、人ごとに有智・無智をきらわず、一同に他事をすてて南無妙法蓮華経と唱うべし」の時至れば、今度は世界が仏国土となります。
このとき、地球上から疫病、飢餓、戦争等の災難は消滅し、この地球上に生を受けた人々は、ことごとく三大秘法を受持・信行して、必ず一生のうちに成仏を遂げることが叶うのです。ゆえに教行証御書には「前代未聞の大法此の国に流布して、月氏・漢土・一閻浮提の内の一切衆生 仏に成るべき事こそ、有難けれ有難けれ」と。
浅井先生は、「大聖人様の究極の大願はここにあられる。そしてこれを実現する鍵こそが、日本における広宣流布・国立戒壇建立なのである」と仰せ下されています。
いかがでしょうか。まさに全世界を根底からお救い下さる日蓮大聖人の三大秘法の大利益に大感動が込み上げます。
日本国の使命
この大利益を思うほどに、日本における国立戒壇建立がいかに大事かが胸に迫ってきます。
浅井先生は、国立戒壇の大精神について、次のように指導下さいました。
ここに思うに、本門戒壇の大御本尊は、日蓮大聖人が日本および全世界の人々に総じて授与し給うた大御本尊であられる。かかる全人類成仏のための大法を、日本が国家の命運を賭しても守り奉る、これが日本国の使命であります。
日本は日蓮大聖人の本国であり、三大秘法が世界に広宣流布する根本の妙国なるがゆえに、この義務と大任を世界に対して負うのであります。
このような崇高な国家目的を持つ国が、世界のどこにあろうか。全人類の成仏の大法を、全人類のために、国運を賭しても護持する国があれば、その国はまさに仏界の国、仏国ではないか。これが国立戒壇の大精神なのであります。
「国家と宗教」特集号
いかがでしょうか。「仏法と国家」の関係とその在り方、その中でも日本国にしかない崇高な仏法上の使命を伺っては、ただ大感動のほかありません。
国際状勢、急速に緊迫
しかし、今の日本は広宣流布の前夜で、まさに「末法濁悪」の直中にあります。だから政治家は国を思う心なく、名利と権力だけを求め、国民は善心を失い、目を背けるような凶悪犯罪が頻発しています。
その根本原因は、日本の人々が未だに大慈大悲の日蓮大聖人を信ぜず、背き続けていること。就中、正系門家の師敵対こそ重大です。ここに諸天は怒り、日本に亡国の他国侵逼が刻々と迫りつつあるのです。
核ミサイル開発に血道を上げ、異例の頻度でミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮。極東地域で中国と連携して軍事演習を繰り返し、「核兵器の使用」をほのめかし、原子力核魚雷「ポセイドン」という最終兵器まで発表したロシア。そして最も注目すべき中国は、10月16日開幕の共産党大会で習近平国家主席が台湾の武力統一に言及し、アメリカ海軍大将が「中国による台湾侵攻が、今年中から来年中にも起こる可能性を排除することはできない」との見方を示す等、台湾問題が俄かに風雲急を告げてきました。
もし米中対決が起これば、その戦場は台湾と日本です。尖閣諸島・先島諸島は直ちに戦場となります。台湾有事は即日本の有事なのです。
このときアメリカに尖兵的役割を強いられる日本は、中国によって血祭りに上げられます。磁石が鉄を吸うように、御本仏日蓮大聖人に背く日本は、自然と隣国の侵略を招くのです。
お救い下さるは日蓮大聖人唯御一人
このとき、大慈大悲の大聖人様は、この大罰を用いて広宣流布をあそばすのです。
ゆえに撰時抄には「前代未聞の大闘諍 一閻浮提に起こるべし。其の時、日月所照の四天下の一切衆生、或いは国を惜しみ或いは身を惜しむゆえに、一切の仏・菩薩に祈りを懸くともしるしなくば、彼の憎みつる一の小僧を信じて、乃至、皆頭を地につけ掌を合せて一同に南無妙法蓮華経ととなうべし」と。
また上野殿御返事には「ただをかせ給へ、梵天・帝釈等の御計いとして、日本国一時に信ずる事あるべし」と。
この広宣流布の最終段階に御奉公させて頂けるとは、なんと有難いことでしょうか。
浅井先生は叫ばれました。
いよいよ広宣流布は最終段階であります。日本国中が他国侵逼で怯え切るとき
「お救い下さる仏様はここにまします。早く日蓮大聖人を信じて南無妙法蓮華経と唱え奉れ」と、全日本人に大聖人様の大恩徳と大慈大悲を教えるのは、顕正会以外には、断じてあるべくもない。
早く三百万を成し遂げ、「御馬前の戦い」に馳せ参じたい。
「国家と宗教」特集号
私も広告文と特集号を手に、一人でも多くの人々に日蓮大聖人の大恩徳と大慈大悲を教え、広宣流布のお手伝いに励んでいきたいと思います!