財政破綻と他国侵逼

「財政破綻と他国侵逼」特集号が出来しました

 冨士大石寺顕正会の令和3年10月度総幹部会を特集した顕正新聞11月5日号が出来しました。その名も「財政破綻と他国侵逼」特集号!

 浅井先生は仏法の眼をもって、今の日本が直面している大難である「国家財政の破綻」と「他国侵逼」について指導くださいました。これらの大難が切迫する状況をみるほどに、いよいよ広宣流布の時が近づいていることをひしひしと感じます。

 それではさっそく見ていきましょう。

「衆生を度せんが為」に御入滅

 まず浅井先生は、先般奉修された御大会式にちなみ、たいへん有難い指導を下さいました。

 御本仏日蓮大聖人の御入滅は「滅に非ざる滅」といって、御入滅の姿を現ずるとも実には滅し給わず、常に此(ここ)にましまして法をお説き下されていること。しかし「衆生を度せんが為の故に」方便して涅槃を現ずることを教えて下さいました。

 この「衆生を度せんがために涅槃を現ず」とは、いったいどういうことなのでしょうか。浅井先生は次のように指導下さいました。

 もし仏様が入滅なさらず、いつでもお値いすることができるということになれば、衆生はかえって「憍恣(きょうし)を起こし」「厭怠(えんだい)を懐き」と。

 すなわちいつでも値えるのだとの思いを懐き、恋慕渇仰の心など起こさない。そうなれば成仏は叶わない。仏様には値い難いとの思いがあって、始めて恋慕渇仰し奉ることができるのです。

 いま宗門は「登山しろ、登山しろ」「付け願いでもいい」などと登山を強要しているが、これで恋慕渇仰の心を起こしますか。戒壇の大御本尊様を「営利の具」とし奉ること、何とも恐れ多いではないか。

 堀日亨上人は「富士日興上人詳伝」に

 「日興上人への戒壇の大御本尊の御付嘱は密附である。戒壇の大御本尊は秘仏であられる。ゆえに広宣流布までは御宝蔵に秘蔵し奉る」(取意)と仰せられている。

顕正新聞「財政破綻と他国侵逼」特集号

 いかがでしょうか。仏様が滅に非ざる滅を現じ給うのは、衆生に恋慕渇仰の信心を起こさせて成仏を遂げさせて下さるためなんですね。

 浅井先生は、次のように仰せられました。

 顕正会は「国立戒壇」の御遺命を守り奉ったゆえに理不尽な解散処分を受けるとも、一念も大聖人様を忘れ奉らず、戒壇の大御本尊に対し奉る信心はいよいよ深く澄み切っている。

 ゆえに顕正会員の唱え奉るお題目は、直ちに日蓮大聖人・戒壇の大御本尊に通じ、大功徳が頂けるのであります。

 きょうの総幹部会でも、御本尊様の功徳を讃嘆する声、また良き臨終の報告が相次いだが、私は聞くたびに、何と有難いことかとの思いが胸に湧きます。

顕正新聞「財政破綻と他国侵逼」特集号

 大聖人に通ずる功徳あるお題目を唱えることが叶う顕正会員の立場は、なんと有難いことでしょうか。ますます恋慕渇仰の勤行に励んでいきたいものです。

「本・自・名・人・下」

 次いで浅井先生は、御大会式における重大指導の要点を、重ねて指導下さいました。

 「久遠元初の自受用身」と「応仏昇進の自受用身」との差異、つまり日蓮大聖人と釈迦仏との勝劣について、日寛上人の御指南を引いて、「一には、本地と垂迹。二には、自行と化他。三には、名字凡身と色相荘厳。四には、人法体一と人法勝劣。五には、下種の教主と脱益の化主」と御示し下された上で、次のように指導下さいました。

 この頭文字を「本・自・名・人・下」と憶えて、この大事な御法門を胸に刻んでほしい。まことに甚深・秘奥の御法門であります。

 身延をはじめ、すべての邪宗日蓮宗の諸派が、大聖人様を御本仏と信じられないのも、この大事の立て分けがわからないからです。

 いま広布前夜に戦う顕正会員は、恋慕渇仰・一念信解で広宣流布を進めるとともに、一人ひとりの胸の奥にこの御相伝の大事な御法門を懐いて、いよいよ

 「日蓮大聖人様こそ久遠元初の自受用身であられる

 との金剛信に立ち、力づよく広布を進めてほしいと念願をしております。

顕正新聞「財政破綻と他国侵逼」特集号

 このような甚深・秘奥、御相伝の大事な御法門を教えて頂けること、なんと有難いことでしょうか。私も繰り返し拝して胸に刻み、「日蓮大聖人様こそ久遠元初の自受用身であられる」との金剛信に立って、広宣流布のお手伝いに邁進していきたいと思います!

刻々と迫る財政破綻

 次いで浅井先生は、日本の財政破綻について重大指導を下さいました。

 先生は前々から「安倍晋三の財政規律を無視した異次元金融緩和なるものは、日本を破産国家にするものである」と叫び続けてこられましたが、先般、ついに現役の財務省事務次官が財政破綻を憂える声を上げたのです。

 それは矢野康治・財務次官が「文藝春秋」11月号に発表した「このままでは国家財政は破綻する」と題する論文です。その内容の一部を紹介すれば、次のとおりです。

 「最近のバラマキ合戦のような政策論を聞いていて、やむにやまれぬ大和魂か、もうじっと黙っているわけにはいかない。言わねば卑怯でさえあると思う

 「すでに国の長期債務は九百七十三兆円、地方の債務を併せると一千百六十六兆円に上ります。GDPの二・二倍であり、先進国でずば抜けて大きな借金を抱えている。それなのに、さらに財政赤字を膨らませる話ばかりが飛び交っているのです

 「今の日本の状況を喩えれば、タイタニック号が氷山に向かって突進しているようなものです。氷山(債務)はすでに巨大なのに、その山をさらに大きくしながら航海を続けているのです

 「タイタニック号の喩えでいえば、衝突するまでの距離はわからないけれど、日本が氷山に向かって突進していることは確かなのです。この破滅的な衝突を避けるには、『不都合な真実』もきちんと直視し、先送りすることなく、最も賢明なやり方で対処していかねばなりません。そうしなければ、将来必ず、財政が破綻するか、大きな負担が国民にのしかかってきます

 いかがでしょうか。財務省の事務方トップである現役財務次官の諫言ですから、本当に重いと思います。

 私も総幹部会のネット配信を視聴した後、「文藝春秋」を買って読んでみたのですが、驚きました。なんと浅井先生が前々から仰ってきたことと、ほとんど同じことを矢野次官が述べているではないですか!私たちがいかに高い御見識を先生から指導頂いてきたのか、その有難さを改めて感じました。

 いまネットを見ると、安倍前首相の取り巻きのような経済学者やYoutuberのようなエセ経済学者たちが、矢野論文に対する批判をしています。しかし、よく読んでみると、反論としてかみ合っていないか、矢野論文の趣旨を曲解した上で叩いているものがほとんどです。

 彼らは無智な読者にそれっぽい印象を与えられれば良いのでしょう。その結果、ろくに経済学を学んだこともない無智な人々が騙され、「国家財政が破綻するなんてあり得ない」と思い込まされているから哀れです。

 中には、MMT理論などという非現実的な少数説を本気で正しいと思い込んでいる人々もいるようです。アベノミクスを支持する元内閣官房参与の浜田宏一すら、同理論について「同学説はインフレに対応できる政策案が極めて不十分であり、また政府による労働の割り振りという提言は社会主義国で既に失敗した実験を繰り返す危険すらある」と苦言を呈しているのですが。

 矢野次官の言葉を借りれば、「『不都合な真実』もきちんと直視し、先送りすることなく、最も賢明なやり方で対処していかねばなりません」ということです。

 さらに浅井先生は、「矢野論文は、財政破綻したときの悲劇については言及していないので、私が言う」として、まずハイパーインフレ(激烈なインフレ)が起こり、それが国債の暴落と国債を大量に抱えている日銀の債務超過をもたらし、日銀が債務超過に陥れば日本円の信用が著しく毀損され、紙幣が紙切れとなり、国家破産というべき状態に至ること、この非常事態を解決するには国家が徴税権を駆使して国民から重税を搾り取る以外にないことを指導下さいました。

 矢野論文は文末において、「そうしなければ、将来必ず、財政が破綻するか、大きな負担が国民にのしかかってきます」と締めくくっていますが、先生のご指導は、まさにその悲劇を具体的にお教え下されたものと大感動が込み上げました。

 このように国家の財政が破綻すれば、その負担・尻拭いは、最終的には国民が負わされることになるのです。この現実を直視せず、ただ目先の安逸をむさぼる政治家・国民は、まさに「佞人は危うきに居て安きを欲う」(富木殿御書)そのものといわなければなりません。

他国侵逼について

 次いで浅井先生は、日本に迫る他国侵逼の大難について指導下さいました。

 そもそも「日本は国防に関して極めて関心が薄い」として、その原因につき、「日本は国家にとって最も大事な国防を、他国に委ねているから」と鋭く指摘され、日本国憲法の制定経緯と虚構を示され、「かくて、日本はアメリカの庇護のもと、ヌクヌクと平和を享受しカネ儲けだけに専念して来たのです。そして国民も『イザとなったら、アメリカ軍がすぐに駆けつけて助けてくれる』と思い込んでいる。だから日本は国防について関心が薄いのであります」と仰せられましたが、眼開く思いとなりました。

 一方、日本周辺ではこのところ風雲急を告げています。隣の北朝鮮すら「極超音速ミサイル」や新型の潜水艦発射弾道ミサイルの実験に成功し、中国も8月に核弾頭搭載可能な「極超音速ミサイル」の発射実験を実施、ロシアも同じようなミサイルをすでに開発しています。この「極超音速ミサイル」は迎撃が不可能といわれているものです。

 また中国とロシアは事実上の軍事同盟を結んでおり、10月18日には、中国とロシアの海軍艦艇計10隻が合同軍事演習を行った後、ともに津軽海峡を通って太平洋側へ抜け、日本列島をぐるっと回り、鹿児島県の大隅海峡を通って東シナ海へ抜けるという威嚇行動に及んでいます。

 さらに、いま中国は台湾侵攻を虎視眈々と狙っています。その背景には、中国の不動産大手「恒大集団」が債務危機に陥っているように、いま中国で不動産バブルが大崩落しつつあるという事情があります。加えて、人口構造の変化等により、人民の間に格差が広がり、怨嗟の声が広がりつつあるのです。

 これを解決するには規制改革や国営企業の改善を断行しなければなりませんが、中国首脳は、何よりも対外的緊張を作り出すことが最も有効と考えています。これが台湾侵攻を断行する背景の一つとなっているのです。

 ゆえに中国の習近平国家主席は、10月9日の辛亥革命110周年記念大会で「台湾統一」について「必ず実現しなければならないし、必ず実現できる」と言い切り、また「台湾問題は純粋に内政問題であり、いかなる外部からの干渉も容認しない」と米国等をけん制しました。

 一方、アメリカとしても台湾を見殺しにはできません。もし見殺しにすれば世界中の自由主義諸国からの信用を失うからです。さりとて中国と全面戦争をするわけにもいきません。そこで、中国が台湾侵攻に踏み切った場合、アメリカは属国日本に尖兵としての役割を果たさせ、弾除けにするのです。そのために制定されたのが「安全保障関連法」だったのです。

 この日本に対し、中国はどう動くでしょうか。中国は7月、「核攻撃での日本平定」と題する動画を中国全土に拡散させました。その内容は、「日本が台湾有事において軍事介入したら、中国は即座に日本への核攻撃に踏み切る」というもので、日本の残虐性等を殊更に強調して中国人民に日本への憎悪を植え付け、核の先制攻撃の必要性を説いているのです。

 浅井先生は、「まさに台湾の有事は即日本の有事なのです。しかもそれは遠い将来ではない。もう眼前に迫っている亡国の大難であります」と仰せられましたが、先般、台湾の邱国正(きゅうこくせい)国防部長(国防相)が台湾の国会で、中国軍の能力について「2025年にも本格的な(台湾への)侵攻実施が可能になる」との認識を述べたことも併せみるとき、いよいよ他国侵逼の大難が近づいてきていることを感じます。

お救い下さるは日蓮大聖人ただ御一人

 では、なぜこのように亡国の大難が日本に迫ってきたのでしょうか。世間の人々は誰もその根本原因を知りません。

 日蓮大聖人は富木殿御返事に「仏法は体のごとし、世間は影のごとし。体曲がれば影ななめなり」と仰せられています。

 いま御本仏日蓮大聖人の唯一の正系門家である富士大石寺において、学会・宗門(日蓮正宗)ともに大聖人の唯一の御遺命である「国立戒壇」を否定しただけでなく、学会は「本門戒壇の大御本尊」を捨て奉る大謗法、宗門はこれを「営利の具」とし奉る不敬冒涜を犯しています。

 このように正系門家が大聖人に背き奉れば、日本は必ず他国の責めを受けるのです。そして、これが「一閻浮提の大闘諍」、全世界を巻き込む大戦争に至るのです。

 この大惨禍・大悲惨をお救い下さるのは、諸天に申しつける絶大威徳まします、日蓮大聖人ただ御一人であられます。

 この絶大威徳は、竜の口において国家権力をもひれ伏さしめ給うた大現証を拝すれば、理屈ぬきです。大聖人はこの絶大威徳をもって、日本を、世界を、お救い下さるのです。

 ゆえに開目抄には、「我日本の柱とならむ、我日本の眼目とならむ、我日本の大船とならむ等と誓いし願やぶるべからず」と御誓願あそばされています。

 そして大聖人は、この亡国の大難が起こるとき、広宣流布をあそばすのです。

 報恩抄には次のように仰せられています。

 「日本乃至漢土・月氏・一閻浮提に、人ごとに有智・無智をきらはず、一同に他事をすてて南無妙法蓮華経と唱うべし」「日蓮が慈悲昿大ならば、南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし」と。

 浅井先生は叫ばれました。

 まさしく広宣流布は、日蓮大聖人御一人の「慈悲昿大」により成されるのであります

 だから私は、広宣流布ができるとかできないとか、心配したことがない。我ら弟子は、大聖人様があそばす広宣流布のお手伝いをさせて頂くだけなのであります。

 そして今、日本の広宣流布は、いよいよ最終段階を迎えたごとくであります。

 このときに召し出され、御奉公が叶うとは、顕正会は何という宿縁か。

 御遺命に背いた学会・宗門には、もうその資格がない。

 顕正会は、御遺命を守り奉って理不尽な解散処分を受けるとも、ただ一筋の忠誠を貫き、その死身弘法はついに三百万に及ばんとしている。この不思議、ただ大聖人様の御守護以外にはない。

 この濁悪の日本国に、大聖人様に南無し奉る三百万の仏弟子の大集団が、やがて出現するのです。

 大聖人様は弘安二年八月の「異体同心事」に

 「日本国の人々は多人なれども、同体異心なれば諸事成ぜん事かたし。日蓮が一類は異体同心なれば、人々すくなく候へども大事を成じて一定法華経ひろまりなんと覚え候。悪は多けれども一善にかつ事なし」と。

 三百万が一結して、日蓮大聖人の大恩徳を日本の人々に教え立正安国を叫ぶとき、日本は必ず動く。

 これを思うとき、私は胸が熱くなってまいります。

顕正新聞「財政破綻と他国侵逼」特集号

 いま大聖人の御心のままに、大聖人があそばす広宣流布・国立戒壇建立のお手伝いが叶うこと、なんと有難いことでしょうか。いよいよ大確信に立って、日蓮大聖人の大恩徳を多くの人々に教えていきたいと思います!