日米安保条約第5条の限界

 12月は何かと忙しい時期ですね。しばらく更新できていなかったので、久しぶりに記事を書いてみたいと思います。

尖閣諸島に触手を伸ばす中国の国家目標

 今年も中国の船が尖閣諸島の周辺にたくさん来ていましたね。でも、尖閣諸島へのこうした動きは、中国の長期的な目標にとってほんの手始めにすぎません。中国は一体、何を目指しているのでしょうか。

 浅井先生のご指導を拝してみましょう。

 中国は、共産党の独裁政権で極めて侵略性が強い。「世界制覇」を公然と国家目標に掲げているが、まずアジアへの侵略を第一ステップとして、その計画を次のように発表している。

 「2020年代に、アジアから米国勢力を駆逐し、大中華帝国を築いてアジアに君臨する」と。

 これが当面の中国の目標です。「アジアに君臨する」とは、日本を征服するということです。

 広宣流布の決戦場たる20年代をめざして、中国がこのような目標を掲げていること、私は不思議に感じております。

 まさに御在世の大蒙古のような国が、日本のすぐ隣に出現したのです。これも大聖人様の御化導を助け奉る諸天の働きであると、私は思っております。

顕正新聞令和2年12月5日号

 いかがでしょうか。中国は「世界制覇」を公然と国家目標に掲げ、その第一ステップとして、アジアから米国勢力を駆逐して大中華帝国を築いて君臨することを目指しているのです。その大きな目標に向けた動きの一つとして、日本に対する侵略があり、その手始めとして、尖閣諸島に触手を伸ばしつつあるのです。いやはや、恐ろしいですね。

アメリカの衰退、中国の台頭

 この中国の動きの背景には、世界情勢の激変があります。浅井先生は、この激変の基本的構図について、「アメリカが衰退し、中国が台頭して来た」として、次のように指導くださいました。

 まずアメリカの衰退を見てみましょう。

 アメリカは近年まで、圧倒的な経済力と軍事力で世界を仕切って来た覇権国でした。ところが、2008年のリーマン・ショック等によって経済が衰え、もう世界を仕切ることができなくなってしまいました。だからオバマ大統領は「アメリカはもう世界の警察官ではない」と言い、トランプ大統領はもっとはっきりと「アメリカ・ファースト」(アメリカの利益第一)と言い出したのです。さらに、先の大統領選挙にみる国内の分裂、銃を所持する怪しげな団体の横行、人種問題など、深刻な問題が次々と出てきています。先生は、「事程左様に、アメリカは歴史的な衰退期に入った」とズバリ指摘されていますが、本当にそのとおりですね。

 一方、中国の台頭はどうでしょうか。

 中国は、1970年代半ばまでは世界の最貧国の一つと言われていました。しかし、周恩来が創価学会の池田大作を籠絡して日本から莫大な経済支援を引き出すことに成功した結果、2010年には日本を抜いて世界第2位の経済大国になりました。また、その間、中国の軍事費はGDP成長率を上回る比率で膨張し続け、今や東アジアの軍事バランスは完全に崩れるに至りました。アメリカ国防総省の今年の年次報告によれば、中国の軍事力はすでにいくつかの点でアメリカを凌駕しているそうです。アメリカ本土に届く多弾頭核ミサイル「DF41」も脅威ですね。

 このような世界情勢の激変を背景として、いま中国は日本侵略の手始めとして、尖閣諸島に触手を伸ばしつつあるのです。

「日米安保条約第5条」でアメリカは守ってくれるか

 「うーん、たしかに最近の中国の動きは不穏だし、尖閣諸島や台湾を狙っているのもよくわかる。でも、まだアメリカの方が中国より強いはずさ。それに、日本には『日米安保条約』があるじゃないか。その第5条では、いざというときにはアメリカが日本を守って中国を追い払ってくれることになってるんだよ。だから、中国が尖閣諸島にちょっかいを出してきたって大丈夫さ!」と思われた、そこのあなた!

 ・・・実はそれ、「日本の一方的な願望」「片思い」なんです(笑)

 浅井先生のご指導を拝してみましょう。

 日米安保条約第5条は、果たしてそのような取り決めをしているのであろうか。その条文を見れば―

 「(もし日本が武力攻撃を受けた場合には)自国の憲法上の規定及び手続に従って、共通の危険に対処する

 とあるだけです。

 すなわち尖閣攻撃のような事態が発生した場合には、アメリカとしては、アメリカ合衆国憲法や各種法令・手続に従って行動すると決められているだけなのです。

 そこで当然、ホワイトハウスや連邦議会は協議するでしょう。その結果を推測すれば、次のようになると思われる。

 「尖閣諸島での日中間のトラブルに対してアメリカ軍を投入することは、中国との軍事衝突の可能性がある。アメリカとしては、核の全面戦争になりかねない危険を冒してまで、日本の岩だけしかない小さな無人島に軍隊を投入することはできない」と。

 つまりアメリカは、日本と心中することはできない、しない、ということです。

 これが日米安保条約の限界です。いや国家間の条約の、これが限界なのです。

 そもそも日本国の防衛をアメリカに委ねていること自体が、独立国としてはあり得ない、おかしいことです。

 しかしこれは敗戦時に、戦勝国アメリカが日本を無力化する目的で作った憲法によってこうなったわけですが、アメリカが衰退して来た今日では、「アメリカに防衛義務がある」などとの思い込みは、もう通用しなくなっている。

顕正新聞令和2年12月5日号

 いかがでしょうか。アメリカが強大な中国との軍事衝突・全面戦争になりかねない危険を冒してまで、日本のために、岩だけしかない島を守ってくれるはずがないのです。これが「日米安保条約第5条」の限界、いや国家間の「条約」の限界なのです。

諸天の責めならば強大な軍備も虚しい

 こう書くと、「ふん、そんなの当たり前でしょう?いつまでもアメリカに甘えていてどうするの。自分の国は自分で守らなくては!日本が生き残る道は、国土防衛のために強大な軍備をする以外にないのよ!」という、右寄りの方々の声が聞こえてきそうです。

 でも、実はこれも国を救う道ではないんです。なぜでしょうか?

 浅井先生のご指導を拝してみましょう。

 では、日本は国土防衛のために強大な軍備をする以外にないのではないか―ということになるが、これも憲法の制約があってなし得ない

 いや、たとえこれを成し得たとしても、仏法の眼を以て見るならば、諸天の責めによる他国侵逼ならば、いかに強大な軍備をしようとも国を守ることはできないのです。

 大聖人様は下山抄に

 「真の天の責めにてだにもあるならば、たとひ鉄囲山を日本国に引き回らし、須弥山を覆いとして、十方世界の四天王を集めて波際に立ち並べて防がするとも・・・

 と仰せられて、諸天の責めによる他国侵逼であるならば、いかなる国防・軍備も虚しい―とお教え下されている。

 重ねて申します。

 御在世の他国侵逼は、日蓮大聖人を流罪・死罪に処し奉ったゆえの大罰であり、諸天の責めなのです。

 そしていま起こらんとしている他国侵逼は、正系門家が国立戒壇建立の御遺命に背き、さらに戒壇の大御本尊に不敬をなし奉っているゆえの諸天の罰なのであります。

 これは諸天の責めであるから、いかなる手段・方法を以てしてもこれを防ぐことはできない。

 やがて日本は、中国の圧倒的な軍事力によって蹂躙され、壊滅される。これがどれほど悲惨なことか。

 だが世界のどの国も、この日本を救ってくれない。いかなる仏・菩薩も日本を守ってはくれない。

顕正新聞令和2年12月5日号

 いかがでしょうか。いま起こらんとしている他国侵逼(外敵からの侵略)は、仏法に背くゆえの諸天の責めなのです。ですから、たとえ強大な軍備をすることができたとしても、仏法の道理の指すところ、日本が亡国を逃れることはできないのです。

お救い下さるは日蓮大聖人ただ御一人

 そこに、末法下種の御本仏・日蓮大聖人の重き重き御存在があるのです。

 浅井先生のご指導を拝してみましょう。

 このとき、日本をお救い下さるのは、諸天に申しつける絶大威徳まします、日蓮大聖人ただ御一人であられる。

 ゆえに

 「日蓮によりて日本国の有無はあるべし

 と仰せられ、さらに開目抄には

 「我日本の柱とならむ、我日本の眼目とならむ、我日本の大船とならむ等と誓いし願やぶるべからず

 と仰せあそばす。

 まさしく

 日蓮大聖人こそ「日本の柱」であられる

 この日蓮大聖人を、日本国一同が信じて南無妙法蓮華経と唱え奉り、大聖人の御当体たる本門戒壇の大御本尊を国立戒壇に安置し奉るとき、始めて日本は金剛不壊の仏国となる

 ゆえに立正安国論の末文には「仏国其れ衰えんや」「宝土何ぞ壊れんや」と仰せられているのです。

 この重大なる御化導は、大聖人様の絶大威徳と慈悲昿大によって為されるものであるから、必ず成る。

 そしてこの御化導のお手伝いを申し上げるのは、御遺命を守り奉った顕正会以外にはあるべくもない。

顕正新聞令和2年12月5日号

 いかがでしょうか。「日蓮によりて日本国の有無はあるべし」との重大な御境界、そして「我日本の柱とならむ・・・等と誓いし願やぶるべからず」との大慈大悲の大誓願にはただ圧倒され、有難さが込み上げます。まさしく日蓮大聖人こそ「日本の柱」であられるのです。

 大聖人一期の御遺命である国立戒壇を捨て、戒壇の大御本尊に対し奉る不敬まで為す「極限の大謗法・師敵対」に陥った学会・宗門(日蓮正宗)は、すでに大聖人の弟子ではなく、師敵対の逆徒にすぎません。これらの輩に、どうして広宣流布ができるでしょうか。彼らにはその資格も力もありません。

 そこに、濁悪の日本国の中で、師敵対に陥った正系門家の中で、大聖人に命かけて忠誠を貫く顕正会がついに222万を超え、いま300万を見つめて大法弘通に励んでいることは、なんと不思議なことでしょうか。すべては大聖人の御守護によるのですね。

 私も広告文と特集号を手に、ますます広宣流布のお手伝いに励んでいきたいと思います!