「立正安国論」の肝要を拝し奉る(2)

大聖人一代御化導における位置

 日蓮大聖人が著して下さった御書はたくさんあります。よく「御書四百余篇」といわれますよね。

 では、「立正安国論」は、日蓮大聖人の一代御化導において、どのような位置づけの御書なのでしょうか?

 実は、大聖人の一代御化導は、「立正安国論に始まり、立正安国論に終わる」と言われています。さて、どういう意味でしょうか?

 浅井先生のご指導を拝してみましょう。

一代御化導を貫く大綱の御書

 立宗より七年目、立正安国論による国主諫暁により三類の強敵が競い起こり、この強敵を用いて大聖人は竜の口において久遠元初の自受用身と成り給い、成道を遂げ給うた。

 また本論に予言された自界叛逆・他国侵逼の二難的中により、日蓮大聖人こそ久遠元初の自受用身、末法下種の御本仏たることが立証された。

 そして二難符合の大現証を期として、未来国立戒壇に安置し奉る本門戒壇の大御本尊は建立された。ゆえに観心本尊抄には

 「今の自界叛逆・西海侵逼の二難を指すなり。此の時地涌千界出現して、本門の釈尊を脇士と為す一閻浮提第一の本尊、此の国に立つべし」と。

 かくのごとく出世の御本懐を遂げ給うたのち、この大御本尊を日興上人に付嘱され、国立戒壇建立を御遺命あそばされた。

 そして弘安五年の御入滅に際して、門下一同に講じ給うたのが、この立正安国論であった。この最後の御説法こそ、「国立戒壇を建立して仏国を実現せよ」との、門下一同への御遺命である。

 まさに立正安国論こそ一代御化導を貫く大綱の御書であれば、大聖人の御願業のすべてはこの一書に込められている。

令和2年・教学部三級試験問題「問2」

 いかがでしょうか。まさに「立正安国論」こそ、日蓮大聖人の一代御化導を貫く大綱の御書であり、大聖人の御願業のすべてが込められているのです。

 このことをもう少し掘り下げて拝してみましょう。浅井先生は、「立正安国論謹講」において、次のように指導くだされています。

 大聖人の御化導の目的は、三大秘法を以て日本および全世界の一切衆生を現当二世に救済あそばすにある。すなわち仏国を実現することである。

 そしてこの仏国を実現する一大指南書が実に立正安国論なのである。ゆえに大聖人の御一生はそのまま立正安国論の実践であられる。したがって本論こそ大聖人の一代御化導を貫く大綱の御書と拝さなくてはならない。

 後に著された開目抄・観心本尊抄・撰時抄・報恩抄・三大秘法抄等の重要御書は、御化導の進展にともなって三大秘法の深秘を開示し給うたもので、すなわち「立正」の内容の具体的御説明にほかならない。

 されば、これらの重要御書を横糸として摂し、縦に御一代を貫く本論こそ、まさに御書四百余篇の代表ともいうべきである。

「立正安国論謹講 」

 なんとも有難いご指導ですね。先生の透徹の教学力に、感激でいっぱいです!

 いま大聖人の御遺命のままに、広宣流布・国立戒壇建立を実現して、日本を仏国とし、ひいては世界を救わんと真剣に戦っている仏弟子の大集団は、浅井先生率いる顕正会以外にはありません。

 だからこそ、顕正会には功徳の歓喜が溢れ、成仏の現証が絶えず、月々日々に明るく弾んだ五十展転の折伏がなされているのです。